2018年7月30日

新著の刊行

 

各位

猛暑お見舞い申し上げます。

ご無沙汰してます。

さて、ようやく出版にこぎつけました。

 

『「わだつみのこえ」に耳を澄ます―五十嵐顕の思想・詩想と実践―』同時代社

「問われているのは我々自身であり、我々の全てなのだ」(パスカル)

http://www.doujidaisya.co.jp/book/b373052.html

 

8月15日の出版です!

京大学徒兵の木村久夫、京都学派に関わりカント、ヘーゲル、マルクス、エンゲルス、フッサール、ハイデガー、西田、三木なども考察

大学や公共図書館などにご推薦いただければ幸いです。

是非よろしくお願いします!

 

山田正行 拝

2017年11月13日

南京大虐殺事件80年、日中国交正常化45年関係の催し

 

日中定例研究会および友人のみなさま

 

貼付1は、今年日中友好協会大阪府連で最大の注力を致しております「80年目の南京」集いのご案内です。ネット上では「南京大虐殺事件」を抹消しようとするありとあらゆる言説が、これでもかとばかりに繰り広げられています。国民レベルで歴史総括がなされない限り、世の中は変わらない。持論ですが、ご一緒に改めてしっかり学びたいというご案内です。【11月26日】

 

貼付2は、中国社会科学院日本研究所日本社会研究室主任胡澎先生が神戸学院大に招聘され、集中講義をなさる機会に、日中関係に関する講演をお願い致しました。安倍・習会談で相互訪問が決まるなど、日中関係の新しい動きがある中で、長年日本を研究されて

来られた先生の日中関係についての率直なお話を伺います。【11月18日】

 

 ご都合が合いますならぜひご参加いただきますよう、ご案内申し上げます。

 だんだん年も押し詰まって参りました。気候も不順が続きますが、健康第一で、佳きお年をお迎えください。

           山本恒人

2017年10月7日

「燕のたより」第36回のご案内

 

多忙を極めておられると存じますが、10月20日、ご都合がよろしければ、是非どうぞ。

秋が深まるみぎり、くれぐれもおからだをいたわってください。劉燕子

 

 

 

 

 サロン「燕のたより」-第36回-のご案内

 

 爽秋の候、みなさま、お元気でしょうか。

 

「今夜 月明 人盡く望む

知らず 秋思の 誰が家に在るかを」

(中秋月を望む・王建)

 

 このたび、スイスでご活躍の栗崎由子さんの来阪を機に、久しぶりに第36回「燕のたより」を、10月20日、金曜日、18:30に開きます。是非お会いしたいですね。

 

 テーマは「女が生きる詩と詩想-栗崎さんと劉霞-」です。

 

 プログラム

18:30開会

1.栗崎さんの紹介(深尾大阪大学准教授)

2.栗崎さんの底力と「生き直し」

3.アーティストとしての劉霞

詩4篇の朗誦(日本語と中国語)

4.亡命チベット女性の自立、子供の教育を支援。

長年活動してきたルンタ・プロジェクト(代表・中原)の井上氏の話題提供。

現在、ネパールでHIV/AIDSの子供と女性たちのためにシェルターホーム建設中。

5.自由歓談

 

会場:fermata(素敵な雰囲気のレストラン)

     阪神本線・野田駅より南西へ徒歩5分

     地下鉄・野田阪神駅、7番出口から徒歩3分

     JR東西線・海老江駅より南西へ徒歩5分

       三菱東京UFJ銀行に面した通りを入り、あさひ薬局の向かい。

   電話 06-6441-6673

   住所 553-0006 大阪市福島区吉野2-10-12 ゴールデンラピス103号

 

参加費:4000円

(資料代、素敵なイタリアンのコース、ワインやコーヒーなどドリンク・フリー)

 

<紹介>

栗崎さんは『女・東大卒、異国で失業、50代半ばから生き直し』の著者で、1955年生まれ。東京大学教養学部卒業後、NTT(当時日本電信電話公社)に就職。85年以降、国際電気通信連合(ITU)日本代表団として、通信技術、サービス標準化活動に参加。89年、経済協力開発機構(OECD)通信政策課に転職、渡仏。94年、国際電気通信の多国籍企業に転職、同時にスイス移住。2008年、ポスト削減により、退社。2011年、ジュネーブの日系企業に再就職。2014年から独立し、欧州と日本で企業を対象に異文化マネジメントコンサルティングを行っている。また、自身の失業経験を生かし、2012年より50代女性の求職支援ワークショップを毎月開催。

<著書>

https://www.amazon.co.jp/%E5%A5%B3%E3%83%BB%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E5%8D%92%E3%80%81%E7%95%B0%E5%9B%BD%E3%81%A7%E5%A4%B1%E6%A5%AD%E3%80%8150%E4%BB%A3%E5%8D%8A%E3%81%B0%E3%81%8B%E3%82%89%E7%94%9F%E3%81%8D%E7%9B%B4%E3%81%97-%E6%A0%97%E5%B4%8E-%E7%94%B1%E5%AD%90/dp/4864620784/ref=sr_1_fkmr0_2?ie=UTF8&qid=1506066366&sr=8-2-fkmr0&keywords=%E6%A0%97%E5%B4%8E%E7%BE%8E%E5%AD%90

<インタビュー記事>

http://www.iibc-global.org/ghrd/global_manager/contents/dialogue/12.html

http://news.livedoor.com/article/detail/10776055/

 

劉霞さん

二〇〇九年四月、アメリカ・ペンクラブが劉暁波にバーバラ・ゴールドスミス賞を授与しましたが、劉暁波も妻の劉霞も出席できないため、彼女はメッセージの中で「私は妻として選択の余地はなく、夫の不幸な運命の一部となっています。/しかし、私は劉暁波の追随者ではありません。現代詩と絵画をこよなく愛する者です」と淡々と述べました。

実は、彼女は詩人、画家のみならず、モノクロの写真家でもあります。

二〇一七年、劉暁波は入院先の病室で劉霞の写真集(香港で出版予定)の序文を書きました。衰弱からか筆跡は乱れていますが、出逢って以来「賛美がぼくの一生の宿命になった」と劉霞の才能を高く評価しつつ、変わらぬ愛のまなざしで甘美な「毒薬」を献げ続けました。

 「氷のような烈しい愛、まっ黒で一途な愛/もしくは、ぼくの平凡で安っぽい賛美/これこそぼくの詩心であり/書風であり、姿であり/全て芸術への冒涜である/Gよ、許してくれ」(Gは劉霞)

 そして、劉霞の詩、絵画、写真の三つのジャンルの作品をそろえた個展を開けなかったことが「最も残念なことだ」と記しました。

 劉暁波と劉霞の詩と詩想の拙訳と、詩論「魂が何でできていようとも、彼と私のは同じ」を文芸誌秋季号に掲載予定です(今月10日)。

 

劉霞の沈黙の力とは何か? 私たち自身をも問い直すのではないでしょうか。

 

三缺一%20刘霞和她的两匹马

 写真で、劉霞が両手に持っているのは「草泥馬」(艾暁明中山大学元教授の提供)です。

 2009年、3月、チェコの人権団体が平和的方法で人権運動に取り組む人物を表彰する“人と人”人権賞を劉暁波と「〇八憲章」署名者全員に授与しました。崔衛平元教授や弁護士の莫少平たち(「08憲章」署名者)は代理出席した。北京に帰って、この喜びを劉霞と分かちあいました。その時、友人が手作りの「草泥馬」(諷刺精神を表現)を二つ、劉暁波と劉霞にプレゼントしました。

そして、2012年にグーグルの中国撤退の時、ネット上で「草泥馬の歌」が流行しました。

もともと「草泥馬」は崔衛平の命名です。とぼけた表情の架空の動物で、ネット・ユーザーが理不尽な言論統制への無言の抵抗の意味を込めています。

 

サロン「燕のたより」の<趣旨>

2011年3月、中国の独立知識人の来日を契機に始まり、それ以来、全て手弁当で、内外の有識者、専門家の来阪の時などに開いてきました。

 このサロンは何らかの組織ではなく、志を抱き、独立精神を有する人々が自由に語りあう場(プラットフォーム)です。

お互いの意見を尊重し、質の高い議論を交わしつつ、現場から発信されている生き生きとした情報を共有し、様々な立場を超えて新たな公共空間の創造(市民的な公共性)を目指します。

みなさん、貴重な機会ですから積極的に語りあいましょう。

2015年5月24日

ヨハン・ガルトゥング関西講演会のご案内

 

「平和の哲学」シリーズでは、講演の機会を与えていただきありがとうございました。

さて、いま平和学者のヨハン・ガルトゥングが来日中で、関西でも下記の通り大阪と京都で講演会が開かれます。日程が迫っていて申し訳ないのですが、ご案内させていただきたく存じます。よろしくお願いいたします。

藤田明史

 

ヨハン・ガルトゥング関西講演会2016のご案内です。

今年もヨハン・ガルトゥングが来日しています。

5月の後半から6月初旬にかけて日本に滞在し、関東・関西で講演会やレクチャーが予定されています。

関西では5月31日(火)に大阪(立命館大学いばらきキャンパス)で、6月1日(水)に京都(同志社大学烏丸キャンパス)で講演会が開かれます。

●大阪での講演会

<平和学の父 ヨハン・ガルトゥングと語り合おう>

・積極的平和としての東アジア共同体

・創造性ゆたかな日本をめざして

・平和のために日本は何ができるか

など私たちが直面している問題をガルトゥングと共に語り合いましょう。

日時:5月31日(火)18:30~21:00 (開場18:00)

場所:立命館いばらきフューチャープラザ(立命館大学 大阪いばらきキャンパス内)

カンファレンスホール(定員139名)

(JR茨木駅東口下車徒歩5分、阪急南茨木駅下車徒歩10分、大阪モノレール宇野辺駅下車徒歩7分)

日本語通訳:西村文子先生(予定)

参加費:学生・トランセンド研究会会員500円、一般市民1000円

主催:トランセンド(平和的手段による紛争転換)研究会

●京都での講演会

<ヨハン・ガルトゥングと東アジアの「積極的平和」を語ろう>

日時:6月1日(水)13:00~15:00

場所:同志社大学烏丸キャンパス(志高館)1階SK119教室

日本語通訳:西村文子先生(予定)

参加費:無料

コメンテータ:浅野亮(同志社大学法学部教授)

司会:向正樹(同志社大学グローバル地域文化学部准教授)

主催:同志社大学グローバル地域文化学部+トランセンド研究会

 

お問い合わせ先:藤田明史Email:afpwmg2@bcb.bai.ne.jp

2016年5月21日

第29回サロン「燕のたより」のご案内

 

 6月4日のサロン「燕のたより」の案内をお送りします。心からお待ちしています。皆さんがお越しくださってこそ心強いです。一個人の力でサロンを五年間続けてきました。拡散をよろしくお願いします。劉

 

 「-第29回サロン「燕のたより」のご案内-」

 

六月になると、いつもこの詩を想い、古傷が疼くばかりです。

 

燕燕、于(ゆ)き飛び

其の羽を差池(しち)にす

この子、于(ゆ)き帰る

遠く野に送る

瞻望(せんぼう)するも及ばず

泣涕、雨の如し

      (『詩経』より)

 

さて、6月4日、土曜日、四川省成都の家庭教会「秋雨之福帰正教会」より王牧師をお迎えし、次のようにサロンを開くことになりました。教会の名前は『聖書』詩篇84篇7節「嘆きの谷を通るときも、そこを泉とするでしょう。雨も降り、祝福で覆ってくれるでしょう」からです。

2005年、リベラル憲政学者の王怡氏と数人の求道者が集って始め、現在は、知識人や学生を中心に信徒が千名を越えています。習近平体制の反西洋イデオロギーの下、中国政府当局と信仰の自由を守るキリスト者とのせめぎあいが続いています。今後、どのようになるのか、祈りをもって見守りたいです。

また、文化人類学者の楊海英・静岡大学教授は、20年以上も前から「変容するオルドス・モンゴルのカトリック」について研究してきました。モンゴル草原で激動の時代を生き抜いた神父のライフ・ヒストリーを通して、カトリック教徒の過去から現在に至る変容、そして今後の展望についてお話ししていただきます。

 

<日時とプログラム>

6月4日(土)

第Ⅰ部 14:30-14:35 挨拶(安保智子さん)

14:35-15:45 王牧師「中国家庭教会の現状と展望」(通訳あり)

    15:45-16:30 楊海英教授

「未発掘のモンゴル人キリスト者の歴史と現状」

    16:30-17:20 パネル・ディスカッション

                王牧師、楊教授、劉燕子

    17:20-17:40 質疑応答、意見交換

第Ⅱ部 17:40-17:50 天安門事件27周年を偲び

劉暁波の詩「17歳へ」の朗読(王宇偉さん)

黙祷

 

<参加費>

1000円 資料代、ワン・ドリンクとお菓子付き

 

<場所>

fermata(レストラン、貸し切り、素敵な雰囲気)

     阪神本線・野田駅より南西へ徒歩5分

     地下鉄・野田阪神駅、7番出口から徒歩3分

     JR東西線・海老江駅より南西へ徒歩5分

       三菱東京UFJ銀行に面した通りを入り、あさひ薬局の向かい。

   電話 06-6441-6673

   住所 553-0006 大阪市福島区吉野2-10-12 ゴールデンラピス103号

 

 その後、懇親会を開きます(18時から20時)。

 参加費:4000円(素敵なイタリア料理、ドリンク自由)

 

 参加希望の方は、できるだけ早くご連絡ください。

安保さん

TOMOKO ABO [abohoken@gmail.com]

Yanzi@mta.biglobe.ne.jp

 

<参考>

・劉燕子「劉暁波とは誰か」『「私には敵はいない」の思想』(藤原書店、共著)所収(特に家庭教会と「〇八憲章」の箇所)

・劉燕子「現代中国におけるクライシスの深まりとディスクールの動向-聖書「ダニエル書」と「家庭教会」をめぐり」『関西学院大学言語教育研究センター年報』第18号、2015年

・劉燕子「文化大革命とキリスト者-我ら信仰のために-」『中国文化大革命と国際社会』静岡大学人文社会学部、2016年

・楊海英「変容するオルドス・モンゴルのカトリック」『西日本宗教学雑誌』第16号、1994年

・楊海英「ローマ法王もたじろぐ?―「反キリスト」中国の教会弾圧」『ニューズ・ウィーク』

・劉暁波「箱舟教会の警察への抵抗が啓示するもの」『天安門事件から「〇八憲章」へ』(藤原書店)

など。

 

<付記>

 20年ほど前から「家庭教会」は息を吹き返し、政治、経済、文化などあらゆる方面で現代中国の重要な一角を占めてきています。そして中国社会は根本的な変化を余儀なくさせられでしょう。

 中国とキリスト教という、やや意外な組み合わせですが、しかし、中国においてクリスチャンが増えていて、一説では、2030年には4億人を超えるかもしれないと言われています。ところが、中国政府はカトリック教会に対してバチカンと断絶することを求めているように、キリスト教への取り締まりを強めています。さらに、2014~15年の1年間に、浙江省だけで一千数百の教会が破壊されたり、十字架を撤去されました。

 それは民主化に関わる潜在力があるからです。劉暁波は中国の未来は民間にありとして、教会のキリスト教的な愛をもって暴力に立ち向かう非暴力の闘いに注目していました。「〇八憲章」の最初の署名者の一割はクリスチャンでした。

 自由な公民精神によるコミュニティ(civil society)の形成、公正な社会秩序を理想とすることでコンセンサスを得ることは、中国の「反外国主義」や「ナショナリズム」を乗り越え、中国人の精神の近代化を進めるということで、民主化の一翼を担うことになるのではないでしょうか。

 みなさまの熱いディスカッションを期待しています。

 

<市民サロン「燕のたより」について>

 2011年より開催してきました。

 これは何らかの組織ではなく、志を抱き、独立精神を有する人々が自由に語りあう場(フィールド、プラットフォーム)です。

お互いの意見を尊重し、質の高い議論を交わしつつ、現場から発信されている生き生きとした情報を共有し、様々な立場を超えて新たな公共空間の創造(市民的で自己組織的な公共性)を目指します。

2016年2月18日

ご案内

 

友人各位
(転送歓迎です)
 
 私も参加しています「無葉会」(河上肇ゆかりの人たちの会合で、現在、関西のジャーナリストOB中心の交流会です)などが共催するまったくオープンな講演会です。
鳩山さんは現在、東アジア共同体形成に情熱を傾注しているということです。東アジア共同体は誰もが関心を持たざるをえない歴史的課題ですが、厳しい現状もあります。
いろいろリアルな諸条件を知ることができると思います。条件があればぜひご参加ください。    田畑稔
 
講師 鳩山由紀夫(元首相、東アジア共同体研究所理事長)
「なぜ、いま東アジア共同体か」
日時 2月24日(水)午後3時
場所 大阪駅前第2ビル6F 大阪市立大文化交流センターホール(添付チラシ参照)
参加費 1000円

2016年1月5日

「燕のたより」

 

燕のたより第45回

ツイートするツイートする

過ぎ去らぬ文化大革命──文革勃発50周年に際して

2016年1月5日 Array

思想(2016年1月号)

 

◀思想(2016年1月号)

 

 我行殊未已〔我が行、殊に今だ已(や)まず〕

 何日復帰来〔何れの日か、復た帰来せん〕

 

 初唐の詩人、宋之問の詩句を詠みながら、気がせかされながらあっという間に過ぎ去った一年間に思いをはせています…。

 一年を締めくくるに際し、「日、暮れて、途、遠し」の感は否めませんが、「我が行く、今だ已まず」を噛みしめています。

 教鞭をとり、諸事に忙殺されながら、夜の闇に言葉を立ちあげられない悲哀や寂寞、時に苛立ちに包まれて、コツコツと日中両語で翻訳や著述を書きつづってきました。

 

 『思想』2016年1月号では、日本のみなさんにも記憶にある世界を震撼させた文化大革命を特集しています。来年は文革勃発50周年になります。

 その時、三島由紀夫、川端康成、安部公房、石川淳の作家四名は、昭和42(1967)年2月28日、「文化大革命に関する声明」を発表しました。

 

 昨今の中国における文化大革命は、本質的には政治革命である。百家争鳴の時代から今日にいたる変遷の間に、時々刻々に変貌する政治権力の恣意によって学問芸術の自律性が犯されたことは、隣邦にあって文筆に携はる者として、座視するには忍ばざるものがある。

 この政治革命の現象にとらはれて、芸術家としての態度決定を故意に保留するが如きは、われわれのとるところではない。われわれは左右いづれのイデオロギー的立場をも超えて、ここに 学問芸術の自由の圧殺に抗議し、中国の学問芸術が(その古典研究をも含めて)本来の自律性を恢復するためのあらゆる努力に対して、支持を表明するものである。

 われわれは、学問芸術の原理を、いかなる形態、いかなる種類の政治権力とも異範疇のものとみなすことを、ここに改めて確認し、あらゆる「文学報国」的思想、またはこれと異形同質なるいはゆる「政治と文学」理論、すなはち、学問芸術を終局的には政治権力の具とするが如き思考方法に一致して反対する。

 

翌3月1日付「東京新聞」掲載。(『三島由紀夫決定版全集36巻』新潮社、p.477)

 

 虚飾に満ちた文革の本質を鋭く剔抉し、今日でも警抜なメッセージであり、胸に刻み込まれています。

 

 文革について、中国共産党政府は「歴史決議」で否定していますが、あくまでも部分的で不完全で、自分に都合のよい解釈が多々あります。しかも少数民族地区における文革には全く触れないどころか、むしろ、これにより真相の究明を抑え込んでいます。今日、中国では自由な言論空間はますます狭められています。ですから、この特集が日本から閉鎖的な言論空間を切り開く突破口になること願うばかりです。

 楊海英氏による「思想の言葉」では、文革の前に推し進められた「社会主義教育運動(四清運動)」との「連動性」が指摘されています。実際、毛沢東は「社会主義教育運動についての指示」(一九六三年五月)で「こんどの運動では、人を殺して証拠を残さぬほど〔徹底的に-訳注〕やるべきである。/大衆をたち上がらせ、四清〔運動-訳注〕をやるのははげしいことなのだ」と指示しました(東京大学近代中国史研究会訳『毛沢東思想万歳』三一書房、一九七四年、下巻、六二頁)。

 まさに、これが文革で全面的に繰り広げられたのです。特にチベットの文化大革命は、「チベット」と「文化大革命」という中国における二つのタブーの組み合わせであり、二重に封印されてきました。これを解き放ったのがツェリン・オーセルの『殺劫-チベットの文化大革命-』であり、それはチベット文革研究の嚆矢となりました。

 しかし『殺劫-チベットの文化大革命-』は中国大陸では出版できず、台湾で刊行されました。大陸への持ち込みは厳禁されています。

 また、楊海英氏の『墓標なき草原』のモンゴル版を所持していた若い女性は内モンゴルで逮捕されました。

 今年の八月、リベラル知識人が集う書店「万聖書園」にある喫茶店「醒客・thinker」で、私はオーセルと語りあいました。文革五〇周年について尋ねると、「イデオロギー統制においてはチベットは依然として文革の時代と同じです。言わばチベットでは文革は終焉していません。二〇〇八年のチベット抗議事件はその帰結ですが、中国政府はこれを反省しないどころか、さらに統制を強め、様々な物理的暴力とともにチベット文化全体を否定する文化的ジェノサイドを押し進め、まさに革命=殺劫(サルジェ)の再来です」と答えました。

 このような状況に対して、オーセルは「著述は祈ることであり、巡り歩くことであり、証人になることである」という理念で書き続けています。

 八月の北京に吹く乾いた風は、pm2.5に満ちていますが、馥郁としたすがすがしさを運んでいました。

 

 『思想』2016年1月号の目次は、以下のとおりです。是非ご一読ください。

 

楊海英(静岡大学)「思想の言葉」

ロデリック・マックファーカー(ハーバード大学)「文化大革命のトラウマ」(福岡愛子訳)

国分良成(防衛大学校)「歴史以前としての文化大革命」

加々美光行(愛知大学)「中国文化大革命の歴史的意味を問う」

福岡愛子(社会学者)「60年代西側諸国にとっての文化大革命──日・仏・米それぞれの意味づけ」

楊海英「内モンゴルの中国文化大革命研究の現代史的意義」

啓之(元北京電映学院)「内モンゴル文化大革命における『えぐり出して粛清する(挖粛)』運動──原因、過程、及び影響」(劉燕子訳)

ツェリン・オーセル(チベット詩人・作家)「『殺劫』──チベットの文化大革命における一連の事件を手がかりにして」(劉燕子訳)

劉燕子(関西学院大学)「社会暴力の動因と大虐殺の実相──譚合成『血の神話』における湖南省道県のケースから」

谷川真一(神戸大学)「政治的アイデンティティとしての『造反派』」

 文革とは何であったのか? 日本、そして世界にいかなる影響を与えたのか? 50周年を迎える現在、再び問われています。

2015年2月3日

市民サロン「燕のたより」のお知らせ


ご多忙とは存じますが、有意義な会です。コンサートもすばらしいです。是非。劉

 市民サロン「燕のたより」のお知らせ

日時:2月22日、日曜、15時30分から20時30分

場所:fermata(レストラン、貸し切り、素敵な雰囲気やシェフ)

    阪神本線・野田駅より南西へ徒歩5分

    地下鉄・野田阪神駅、7番出口から徒歩3分

    JR東西線・海老江駅より南西へ徒歩5分

       三菱東京UFJ銀行の通りを入り、あさひ薬局の向かい。

  電話 06-6441-6673

  住所 553-0006 大阪市福島区吉野2-10-12 ゴールデンラピス103号


 凛冽な風が身を切る日々、2015年を迎えましたが、昨年だけでチベット人の抗議焼身自殺は11名を数え、2009年からは136名になりました。ウイグル人の穏健派学者、イリハム・トフティ氏は、言論だけを理由に無期懲役を下されました。浦志強氏たちリベラル漢人も次々に投獄されました。また、これまで封殺されてきた内(南)モンゴル問題は顕在化しはじめ、台湾では「ひまわり学生運動」や香港では「雨傘革命」が起きました。これはフランスのマスメディア銃撃など一連のテロ事件に対して全仏で370万人規模の自由を守ろうというデモに通じるものです。時あたかも、1月12日未明、香港のリベラル紙「アップル・デイリー」の本社と創業者宅が火炎瓶で襲撃されました。これまで、「アップル・デイリー」は中国共産党政権や香港政府を厳しく批判したため、親中派からたびたび攻撃やいやがらせを受けてきました。この事件に対して、香港記者協会は「言論の自由に対する暴徒の挑戦である」との声明を発表しました。

 言論の自由は民主主義の基礎です。このような時、各方面の有識者、専門家をお招きして、以下のような言論の場を設けました。みなさま、是非、ご参加し、建設的実践的なディスカッションをつくりましょう。


プログラム(司会・進行 安保智子)

第一部(コーヒーか紅茶、手作りのお菓子付き)

 話題提供 15:00-15:35

阿古智子(東京大学准教授)「中国の言論の自由と市民社会の行方」

コメンテーター 15:35-15:50

麻生晴一郎(ジャーナリスト)

質疑応答 15:50-16:05


第2部

話題提供 16:05-16:40

楊海英(静岡大学教授)「自著『チベットに舞う日本刀』を語る」

コメンテーター 16:40-16:55

村主道美(学習院大学教授)

質疑応答 16:55-17:10


休憩 17:10-17:20


第3部

話題提供 17:20-17:55

 富察(台湾・八旗文化出版社編集長)同時通訳あり

「満蒙民族の視点から中華の歴史観を問う」

コメンテーター 17:55-18:10

 石平(評論家)

質疑応答 18:10-18:25


第4部 18:25-20:00

 ディナーと自由討論

 市民からゲストへの質問、意見、交流


第5部 20:00-20:30

 チベットの歌とミニ・コンサート 川辺ゆか


参加費

 第1部から第3部:1000円(資料や飲み物など)

 第4部から第5部:5000円(ディナーとコンサート)

    学生は学割で4000円


<趣旨>

この会は何かの組織ではありません。2011年3月、王力雄氏の来日を契機に始まり、それ以来、内外の有識者、専門家の来阪の時などに開いてきました。

それぞれ志があり、独立した立場の人々が、ヴォルテールの言葉として伝えられている「私はあなたが何を言っても賛成しないが、私はあなたがそれを言う権利を断固として護るだろう」の精神で、自由に語りあう場です。

お互いの意見を尊重し、質の高い議論を交わしつつ、現場から発信されている生き生きとした情報を共有し、様々な立場を超えて新たな公共空間を、手作りで創造することを目指します。


連絡先: Yanzi@mta.biglobe.ne.jp

2014年11月6日

文化大革命におけるモンゴル人虐殺


諸先生。こんばんは。静岡大学楊海英(大野旭)教授の『墓標なき草原』(司馬遼太郎賞受賞)の中国語版を、八旗文化出版社(台北)から翻訳・出版しました。訳者は私と父(劉英伯)です。文化大革命におけるモンゴル人虐殺という本は、中国大陸では出版できませんが、台湾で実現できました。台湾や香港は、中国大陸へ、自由、人権、尊厳、真相究明などを発信する重要なプラットフォームです。以下、お読みくださり、拡散のほど、よろしくお願いします。感謝を込めて。

             劉燕子

http://www.shukousha.com/column/liu/3702/

2014年5月27日

天安門事件25周年

 

諸先生、こんばんは。まもなく「6.4」天安門事件25周年になります。「血は墨で書いたたわごとによって隠ぺいされない」
「血の日曜日」事件を記念し、拙文を書きました。
http://www.shukousha.com/column/liu/3108/
墳墓なき心の墓碑の思いを込めつつ。

               劉燕子

2014年5月21日

中国近代史の一幕—『安源炭鉱実録』

 

諸先生。こんばんは。

 今回の集広舎コラム「燕のたより」では、近代中国で重要な役割を果たした炭鉱について取りあげています。

 『安源炭鉱実録』(横澤康夫訳)の「解説」です。僭越ながら、「解説」として「安源炭鉱の盛衰と見果てぬ夢」を書かせていただきました。その中で、自分の家族史についても少し言及させていただきました。それを通して、中国近代史の一幕を垣間見ることができるでしょう。

 大変ご多忙と存じますが、下記URLより、お目を通してくだされば幸いです。感謝を込めて。

                 劉燕子

http://www.shukousha.com/column/liu/3055/

2014年5月10日

緊急の呼びかけ

 

諸先生、こんにちは。既にご存じのことと思いますが、「6・4」25周年記念シンポジウムを開いた元中国社会科学院研究員の徐友漁氏、著名な弁護士・浦志強氏たちが刑事拘留されています。この会の参加者の何人かは知人・友人です。また、大阪の「燕のたより」のサロンに参加し、日本の良識ある市民と交流した人もいます。

 徐友漁ご夫妻とは、2012年8月に大阪に来られて、孫文記念館館長の安井先生、現代中国研究会の吉田先生、静岡大学楊海英教授はじめ研究者・知識人と交流しました。今日の中国の状況は悪化の一途をたどり、私の心は引き裂かれるばかりです。

 もうこれ以上は言葉になりません。どうか、見守り、応援してください。感謝を込めて。劉燕子

 

以下は、東大阿古先生のメールです。ご参考にしてください。

阿古智子

===

報道でご存知だと思いますが、元中国社会科学院研究員の徐友漁氏や著名な弁護士・浦志強氏らが刑事拘留されています。私は個人的にも、このお二人とは付き合いがあります。思い返せば、311の地震が発生したその時に、日本にこのお2人を含む中国からの訪問団と一緒におりました。箱根から東京に戻る列車の中で地震に遭ったことを鮮明に覚えています。まだ息子が1歳にもならない時で、中国の方々は代わる代わる、子どもをあやしてくれ、息子が眠ると、列車の廊下に置いたベビーカーをのぞきに行ってくれました。浦さんは、地震の被害者に全てあげて欲しいと、私が渡した1週間弱の日当など、使っていない分、たしか7万円ぐらいあったと思いますが、すべて日本の赤十字に寄付してくれました。自分が最初の中国からの寄付者になると言って。まさか、彼らが拘束されるとは夢にも思いませんでした。中国をよい方向に変えていくために、地道に努力をしてきた人たちです。真実を追求するために、真摯に学術研究を進めてきた人たちです。心が痛みます。何かできないか、考えていたところ、北海道大学のチームが以下のような文書を作成してくれました。そして、私も呼びかけ人に加わり、署名してくれる方を募ることになりました。このようなことをしたからといって、彼らの状況がよくなるかどうかわかりませんし、逆に悪くなることもあるのではという方もおられます。しかし、国際社会が中国に注視することで、理性と良心をもって活動しておられる方々を勇気づけ、力づけることができるのではないかと考えています。以前、浦弁護士に聞きました。国際社会が中国の人権問題などに対して、抗議の声をあげることについてどう思うかと。その時は、まさか浦弁護士ご自身がこのようになるとは想定していませんでしたので、ご自身がそうなった場合、という風には聞きませんでしたが。。。浦弁護士は、中国の問題は中国人自身で解決しなければならないことが大半だが、国際社会が注視し、関心を持ってくれることは力になる、当局の弾圧に対する声明などは歓迎するとおっしゃっていました。皆様にとって、直接関係する人たちではないと思います。また、中国研究に関わる者として、さまざまなリスクや懸念をもっておられると思います。関心があり、それは私も、という方だけで結構ですので、この文書を出す上で名前を連ねてもよいという方は、阿古までご連絡いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

 

阿古智子

 

追伸:中国語の文章もあります。中国の方で賛同してくださる方がおられるようなら、そちらをお使いいただければ幸いです。日・中両方の文章が掲載されたファイルを添付いたします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 緊急のお願い

 諸先生方、平素お世話になっている皆様へ

 

 すでに新聞報道などで大きく取り上げられておりますとおり、社会的弱者の擁護や自由・民主主義といった普遍的価値の実現を目指して地道な弁護士活動、言論活動を行ってきた *浦志強氏*(弁護士;49歳)、*徐友漁氏*(元社会科学院哲学研究所研究員;67歳)らの改革派知識人5人が、1989年の天安門事件について考える小規模な内輪の集会を開いたというだけの理由で、数日前に中国当局によって刑事拘留され、外部から連絡がとれない状況に置かれているようです(本メール末尾の報道などを御参照ください)。

 

多くの皆様がよく御存知のとおり、徐友漁氏や浦志強氏は、中国の現体制に批判的ではありますが、暴力的な政権転覆やテロ活動を支持しているわけではなく、自らが属する国家と社会の健全な発展や中国と周辺諸国との友好的・平和的関係の発展を心から望んでいる、愛国的で平和的で善良な知識人であります。北海道大学は、2013年から中国、台湾、韓国、日本の市民社会のリーダーや知識人を招いて、東アジアの諸国・地域が直面する共通の課題について議論する「北海道ダイアログ:東アジアの市民社会対話」を実施してきております。徐友漁氏は「北海道ダイアログ」のコアメンバーの一人であり、我々の大切な友人です。

 *我々は、同じ人間として、友人として、現下の事態に深く心を痛め、徐友漁氏らの無事を願ってやみません*。

 

 中国の人権状況については、かねてから日本を含む民主主義諸国において大いに問題視されてきておりますが、このたびの中国当局の行動は明らかな過剰反応であり、自由、民主、人権、法の下の平等といった普遍的価値を共有する我々として、決して看過し得るものではありません。我が国の岸田外務大臣、米国国務省、そして多くの国際的人権NGOは、本件について相次いで強い憂慮、懸念を表明しており、

 ともに東アジアという地域に生きる我々も、草の根の市民レベルにおいて、良き友人、良き隣人として、中国の当局及び良識ある人々に対し、心からの真摯な呼びかけを行うべきだと考えました。

 

 我々一人一人の力は極めて微小ですが、日本国内だけでなく、韓国、台湾、中国でも賛同者を募り、多くの賛同・署名を集めて一つの運動として発展させていくことができれば、我々の友人を救うことができるかもしれない、また、中国社会の良識ある人々の覚醒を促すことができるかもしれません。

 

 つきましては、是非ともこのような我々の想いと趣旨に御賛同いただけましたら、大変ありがたく存じます。

 

本件公開書簡は、近日中に日本、台湾、香港、韓国、欧米の主要メディアに送付するとともに、インターネット等でも広く公開することを想定しております。

 *趣旨に御賛同いただける方は、5月12日(月)正午12時迄にメールで御返事いただけますよう何卒宜しくお願い致します*

(御賛同いただけました方々につきましては、氏名・肩書きを本文末尾に記させていただきます)。

 なにとぞ御支援・御賛同賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

 

 ※御支持・御賛同いただけそうなお知り合い・御友人などにも積極的に転送いただけますと幸甚です。

 

【発起人代表】鈴木賢・北海道大学法学研究科教授

 遠藤乾・北海道大学公共政策大学院教授

 林成蔚・常葉大学法学部教授

 阿古智子・東京大学総合文化研究科准教授

 

 【窓口】北海道大学公共政策大学院公共政策学研究センター東アジア研究所 柿澤未知

 

2014年3月17日

a dialogue witu gravity 重力との対話

 

大駱駝艦の舞踏家・麿赤兒が西部講堂に37年の時を経て帰って来た。迎え撃つは麿と同時代を生きた画家・木村英輝による空間演出。今、木村英輝と麿赤兒から学ぶこと、そんなフェスティバルとなる。表現黎明期を担いながらも、懐古に走らず、70代を迎えた今も一銭を走り続ける二人。そんな二人のダンス╳アートのコラボレーション。歴史的な瞬きというより、各人それぞれが「今」を目撃する、そんな瞬きを見る日となるに違いない。

 

2014年4月5日(土)京大西部講堂 

開場17:00、開演18:00、終演22:00

出演■身体表現:麿赤兒+大駱駝艦/MuDA/Tragic Selector feat.おまゆみ、PIRO

■シンポジウム:木村英輝╳麿赤兒/対談:林海象(映画監督、京都造形芸術大学)/鎌田東二(宗教人類学、京都大学こころ未来研究センター)/青野荘(西部講堂連絡協議会)

司会:田所大輔(京都大学・宇宙論・修士課程)

■講演:阪上雅昭(物理学者、京都大学人間・環境学研究科)「万有引力と曲がった時空としての重力について」

■空間演出:木村英輝(絵)/竹内良亮(舞台美術) ■協力:SMASH WEST

 

入場料 ¥3,500(当日) ¥3,000(前売り)

 チケット:2/22~ ぴあ(P:435-371)、ローソン(L:53647)、eプラス(プレ:2/12-16)

 

問合せは、075-751-9373(京大西部講堂)、tadokoro.daisuke.24z@st.kyoto-u.ac.jp

2013年11月21日

シンポジウム「都市はだれのものか?~都市大阪の過去・現在・未来から考える~」

 

主催:大阪市立大学創造都市研究科都市共生社会研究分野

 

 いま都市が、とりわけ大阪が、私たち市民の手から奪い取られようとしています。翼賛化したメディアを介して、粗野な新自由主義イデオロギーと危機煽りのデマゴギーが蔓延し、それらを背景として、大阪の市政と府政の中枢に侵入し、そこに居座った簒奪者たちは、都市大阪の「場所」や空間を、景観を、文化を、そして私たち市民の生活基盤そのものを、ズタズタに切り裂き、そして叩き売ろうとしています。さまざまの公共施設や文化施設、地下鉄をはじめとする公共交通機関、水道事業や環境事業などの公共サービス、これらの市民の共有財産が「民営化」の名のもとに、資本家や営利企業に払い下げられようとしています。いまや、現代版「官業払下げ」が始まろうとしているのです。

 私たちは、「市民の都市」大阪を、ビジネスと投機の対象にしてはならないと考えています。大阪は私たち市民の生活の場なのですから。そしてさらには、都市大阪の自治と自由と抵抗の伝統を決して手離してはならないとも考えています。いま進行しつつある野蛮な企てに抗して、都市(大阪)を市民の手に、民衆の手に、取り戻すために、いま私たち市民は何をなすべきなのでしょうか? このシンポジュウムを出発点にして、真摯な議論と、そして行動を、開始したいと考えています。多くの市民の皆さんの参加を呼びかけます。

 

(話題提供者)

 酒井隆史さん(大阪府立大学教員)

 杉村昌昭さん(龍谷大学名誉教授)

 吉村元男さん(造園家・都市環境デザイナー)

(司会)

 島和博(大阪市立大学教員)

 

日時 : 2013 年12 月7 日(土曜日) 18:30~21:30(18:00 開場)

場所 :大阪市立大学創造都市研究科梅田サテライト101 教室

   大阪市北区梅田 1-2-2-600 大阪駅前第2 ビル6 階(JR 北新地駅真上)

予約不要、参加無料

問い合わせ (e-mail) : info@co-existing.com

2013年11月11日

「信力建訪日団と語る会」・市民サロン「燕のたより」のご案内

 

 紅葉の季節となりました。

 11月15日、金曜日、民営企業家でリベラル知識人の信力健氏はじめジャーナリスト、法曹界、経済界の方々が、自らの目で世界を見聞する「岩倉使節団」のようにして来日しています。

 現代中国の極めて影響力のある民間パワーに、私営企業家と「新意見階層(ニュー・オピニオン・リーダー)」がいます。

 私営企業は、二〇一二年には、全国で九六七万企業、従業員は一億人を超えました。近年では、GDPの増加分の八割、全体では六割を占めるようになり、最も活力に満ちた経済成長の原動力となっています。信力建氏(信孚グループ理事長)もその一人です。

 公共性の高い社会問題に関して積極的に発言するなど、現代中国で最大の民間パワーと言えば、私営企業は、ニューメディアのウェイボーと並ぶ双璧だと見なされています。

 このような人たちが日本社会の現実に触れ、市民と交流していけば、日中の間で現実を受けとめつつ相互理解をさらに広げることができるでしょう。

このたびは、信力健氏たち錚々たるメンバーが、自費で来阪します。ギクシャクする日中関係をめぐり率直に話しあえれば、とても有意義になるでしょう。

急な話で、人数も多く、驚きましたが、とてもいい機会ですので、万障おくくりあわせのうえ、是非ともご参加ください。

 

<日時>

11月15日(金)18:00〜21:00

 トーク・意見交換・食事

  参加費 4000円 飲み放題と素敵なイタリア料理

 

<場所>

fermata(レストラン、貸し切り、素敵な雰囲気やシェフ)

    阪神本線・野田駅より南西へ徒歩5分

    地下鉄・野田阪神駅、7番出口から徒歩3分

    JR東西線・海老江駅より南西へ徒歩5分

     三菱東京UFJ銀行の通りを入り、あさひ薬局の向かい。

      電話 06ー6441ー6673

  住所 553-0006 大阪市福島区吉野2-10-12 ゴールデンラピス103号

 

<プロフィール>

1.信力建

 信孚教育集団の理事長。21世紀教育研究員の理事も兼任。中国私立教育協会の常務理事。『世界を見る』雑誌社副社長。中山大学、四川大学などの客座教授などを務める。大学受験失敗者を集めての「上山下郷」運動、政府による供給が追い付かない保育園の整備などに取り組む。公設民営などの学校運営モデルを広めてビジネスにおいて成功するだけでなく、出稼ぎ労働者の子弟を対象とした「都市希望プロジェクト」などを展開。障害者や孤児の教育にも力を入れ、福利院から信孚教育集団の学校に直接進学できるルートを開拓している。また、コミュニティベースの老人ホーム、教育クレジットカードの発行等、斬新なアイデアでさまざまな事業を進めている。学術界への支援にも積極的で、中国で初めての「フィールド調査基金」を創設し、実地調査に基づく学術研究の促進に力を尽している。さらに、『武夷論道』という論壇を組織しており、リベラル・保守・新左派の代表的な知識人を武夷山に集め、徹底討論する学術討論会を主催してきた。

 

2.沙叶新:

 元上海人民芸術劇院院長

 南京の人。回族。中国劇作家協会常務理事。著名な劇作家。

 

3.邵文?(女)鳳凰ネット核心項目部博報頻道主持人

 鳳凰ネットは鳳凰電視台(フェニックステレビ)のネット部門。フェニックステレビの報道は保守的で有名だが、ネットには多くの改革派・リベラル知識人に関する情報や文章を取り上げており、注目されている。

http://www.ifeng.com/

 

4.孫潮(男)凱迪ネット副総編集

 凱迪ネットは南方報業メディア集団の下で展開するインターネットサイトで、2000年に開始。中国で影響力のあるオピニオンリーダーの声を発信する場(例えば「猫眼看人」(猫の目で人を見る)といったネット上の交流広場など)を提供しているとして有名。

http://club.kdnet.net/

 

5.尹星(弁護士)

 

6.楊恒均

 1965年湖北省隋州市に生まれる。著名な言論人。代表作に、『致命弱点』『致命武器』『致命追殺』の三部作がある。時事評論家、インターネット作家としても有名。復旦大学法学部を卒業後、オーストラリアに留学し、シドニー科学技術大学で博士号を取得しており、学者としても活動している。1987年から1997年には外交部、海南省人民政府、香港中資公司にて勤務したほか、1997年から2000年、米・大西洋理事会にて国際戦略問題に関する研究に従事し、2000年からは拠点は中国・広州に置きながら、ワシントンやシドニーで研究活動を続けている。2006年3月から『シドニー時報』総経理・副総編集長。このほか、1987年から2007年、旅行会社や貿易会社、紡績会社で役員を務めた経験がある。

http://baike.baidu.com/link?url=tdC_XDJ0S6lQsWkx5qd_-ornj1G68c0VQvf28Asox6NlvXTx1E3QOyy5tdLRM1gdLMci-0ihGUOmghjIEinufq

 

他、計10名(ビックリします)

 どなたも著名人です、、、

 

主催:市民サロン「燕のたより」

   Yanzi@mta.biglobe.ne.jp:劉燕子

              090ー9286ー0563

 

 いつものことで、急に決まったので、レストランの予約などあり、なるべく早めにお知らせください。感謝を込めて。

                         劉燕子

 

 

 この会は何かの組織ではなく、志はありますが、独立した立場の人々が自由に語りあう場です。お互いの意見を尊重し、質の高い議論を交わしつつ、現場から発信されている生き生きとした情報を共有し、様々な立場を超えて新たな公共空間の創造(自己組織)を目指します。

2013年8月4日

第11回 戦前・戦時日本研究会のご案内
 先日の参議院議員選挙により〝ねじれ〟が解消され、ついに「ナショナリスト」を首相に頂く体制が完成しました。一方で資本市場における外国人投資家の存在感は増しており、他方東アジアにおける日本の孤立はますます強まっております。さらに、慰安婦問題をめぐる失言の数々は、中韓のみならず米国を始めとした世界中から非難の的となっているようにみえます。まるで日本は「人権後進国」として嘲笑され、もはや信用に足らぬ危険な〈恥ずかしい〉国として扱われているかのようです。

 こうした政治情勢のなか、第11回研究会では、白井聡さんの『永続敗戦論――戦後日本の核心』(太田出版、2013年3月)を扱います。先の戦争における「敗戦」について、国内やアジアに対しては否認しつつ、自らを容認する米国には進んで隷属する。敗戦を否認するがゆえに敗北が際限なく続く、というこの構造を「永続敗戦」という概念でしめした本書は、朝日新聞で書評・インタビューが組まれるなど、各所で話題になっております。

 今回は、日本経済思想史およびアメリカ外交史のそれぞれの立場からコメントを頂いたうえで、著者とともに「戦後日本の核心」についての議論を深めていきたいと思います。歴史的・分野横断的な広い視点で、活発な議論が行われることを期待します。

 ショートノーティスとなり誠に申し訳ございませんが、一人でも多くの方々にご参加頂けますと幸いに存じます。
         2013年7月28日
             呼びかけ人:恒木健太郎、牧野邦昭
*ご参加の諾否について、メールにてご意向をお知らせ下さりますと有り難く存じます。また、研究会についてご意見やご希望がございましたら、何なりとお知らせ下さい。
返信先:恒木健太郎 bcstyle25@s2.dion.ne.jp
*********************************************************************

第11回 戦前・戦時日本研究会
日時:2013年8月23日(金) 14:30~17:30 その後、懇親会あり

場所:下京いきいき市民活動センター 会議室3

   最寄駅:JR京都駅、京阪七条駅等

   地図のリンク:http://www.geocities.jp/tgtmk561/

注意! 室内は飲食厳禁です。昼食は事前に済ませてください。

日程:

白井聡『永続敗戦論――戦後日本の核心』(太田出版、2013年3月)をめぐって

コメント

 牧野 邦昭(摂南大学経済学部講師、日本経済思想史)

 幸田 直子(ニューヨーク大学大学院博士課程、アメリカ外交史)

休憩(20分)

討論

※ 懇親会会場は未定ですが、会場付近になる予定です。*********************************************************************
日本学術振興会特別研究員(PD)京都大学・追手門学院大学非常勤講師
                      恒木健太郎

2013年7月24日

「麻生晴一郎氏を囲む会」・市民サロン「燕のたより」のご案内
 猛暑の候、暑~いですね! みなさん、へばっておりませんか。8月1日、木曜日、長年、中国の現場に足を運んできた良心的ジャーナリストの麻生晴一郎氏をお迎えして、次のように「囲む会」を開きます。何と、今回は同僚からウイグル料理を教えていただきました。シルクロードのロマンや郷愁を喚起させられますね、、
<日時>8月1日(木)

 第一部 17:00-18:30 トーク・意見交換

    参加費 1000円 ワン・ドリンク付き

 第二部 18:30-20:30 懇談 

    参加費 3000円 ウイグル料理と民族舞踊

<場所>シルクロード・ウイグルレストラン ムカーム

 近鉄・市営地下鉄 25番出口1分大阪難波駅から121m

 大阪府大阪市中央区道頓堀2-2-806-6211-8288

  http://tabelog.com/osaka/A2702/A270202/27070418/
<テーマ>「今後の中国公民社会――葉海燕、許志永の件から」内容:中国の公民社会の動きと課題、今後の展望を女性活動家・葉海燕の拘束や法治国家化をリードしてきた許志永の逮捕などから考えていきます。


葉海燕・・・ 1975年湖北省出身。「流氓燕」の筆名で著名ブロガー。05年に「中国民間女権工作室」を設立(武漢)、売春婦の健康、HIV感染予防などの活動を行なう一方、09年より売春の合法化を訴えるなどの活動を行う。10年7月に警察に拘留され、拠点を広西チワン族自治区博白県に移す。その後、今年5月30日に拘留。6月12日に釈放されるものの博白を追い出される。


許志永・・・1973年河南省出身。2003年、法律学者として滕彪たちと孫志剛事件で政府を説得させ注目される。同年秋より海淀区の全人代メンバー。滕彪たちと設立した公盟を通じて政府の法遵守のチェック、自由選挙(自由に選挙に出る)、官僚の資産公開要求のリーダー的存在として活躍するも09年に公盟が脱税容疑で閉鎖されるなど圧力を受けてきた。軟禁状態が続いた上に7月16日、逮捕される。


なお、麻生氏については、以下のブログをご覧ください。http://gikyoudai.exblog.jp/
また、新疆ウイグルに関しては、王力雄著、劉燕子監修・解説、馬場裕之訳『私の西域、君の東トルキスタン』集広舎もご参考に。


主催:市民サロン「燕のたより」Yanzi@mta.biglobe.ne.jp:劉燕子

2013年6月22日

みなさま。

 梅雨の季節、「黴雨(ばいう)」のようなうっとおしくて、憂鬱です。さらに憂鬱にさせるニュースが入りました。チベット人の抗議焼身自殺は121名に上り、オーセル・王力雄ご夫妻は6月に入り、再び自宅軟禁されています。

 かつてオーセルさんは「私は投獄のときに必要な持ち物を手が届くところに用意し、いつその時が来てもいいように待機していました」、「私が体験したことは全体主義独裁体制に統治されているチベットにとって日常茶飯事にすぎません」、しかし「私は一人のメディアという存在を堅持していくつもりです。これは権力を持たない者の武器だからです。言葉で制作される非暴力の武器です」と述べました。

 みなさま、是非、見守ってください。共感共苦(コンパッション)で、、、

 集広舎サイトの「燕のたより」をお読みください。 http://www.shukousha.com/column/liu/2279/ 

ルンタのサイトもどうぞ。6月21日の下です。

http://blog.livedoor.jp/rftibet/?blog_id=2789542 

拡散大歓迎! 感謝を込めて。

 

劉燕子

2013年6月4日

各位へ

ご無沙汰しています。

来る6月7日(金)8日(土)私の地元で大規模な平和集会を企画・開催します。添付の資料ごらんください。

今日の朝刊で毎日新聞が報道してくれました。数日中に朝日新聞も報道します。

私の地元の淡路小学校、西淡路小学校、啓発小学校、淡路中学校、中島中学校、柴島高校の生徒や保護者はじめ地域の町内会、各種団体・個人、戦没者遺族、まさに超党派、超宗派の大規模な平和集会を開催します。新聞各社も取材にきます。

東淀川区長はじめ慰霊塔建立者中田亀蔵氏の曾孫の中田善夫氏、同じく床田仁三郎氏の孫の床田正勝氏(自民党大阪市議)も参列いたします。

お時間よろしければご自由に参加ください。


大賀正行

部落解放・人権研究所 名誉理事

2013年4月22日

会員の中村りょう子さんから次のようなたよりをいただきました。

 

 新緑が眩しく、美しく、街路樹が彩られて、人も樹も喜んでいます。

 北朝鮮、中国、ボストン事件、諸「狂気」の連続です。「人というモノは、一体、如何なってしまったのか???」未成熟というよりも、もっと幼稚な「餓鬼道」に落ちているおぞましい現象を突きつけられています。

 先月下旬、10日ばかり【ウズベキスタン】を視て参りました。

 「子供の虐待、自殺、他殺事件、老親を施設に入れっ放し」は殆ど、無いと聞きました。国民所得も平均給与も低いです。

 家族や知友には「そんな危ない所へ何故?」と訝しがられましたが、、のんびり農作業をしている、子供や大人も、私たち、20名余のバスに手を振って呉れます。其の人懐っこい日焼けした顔面が今も瞼に残っています。手を振り返しながら涙が出てしまいました、幾たびか。

 舗装中の道路を、7時間とか、或る日は10時間の移動で、ぼこぼこ道にも揺られ、砂漠、ステップでの青空トイレに冷や冷やしました。

 吾々、この日本の人々は随分、欲どしい暮らし方をして来、更に限度を知らぬかのように、「もっと、もっと」を取り止める、或いは方向転換を試みる気配もありません。(あちらこちらで小さな志しの萌芽はあります)

 「関空」でツアーが解散するや、このまま、リュックを背負って逆に「ウズベキ」へ向かいたいと一瞬思いました。其の思いは何だろうか?と考える日々です。

 私ごとごきが、考え続けたところで、それで、何や?

     *****

 五月は青年たちも、また、心が揺れ不安に陥る「季節」です。新入生に接しられる時期、若い人らは溌剌としていますか?

 先日、メール通信が往復できました。私の拙文さえ、読んで下さるという御心持ちに感謝申し、旬を逸した年初の雑感を「そのまま」同封します。

            中村りょうこ 拝

 

***********************

 

最後にありますように、中村さんからは『大阪哲学学校通信』第45号に原稿を寄せていただいておりながら、メールの受信ミスのため掲載できませんでした。不手際をお詫びするとともに、ぜひ皆さまにもお読みいただきたく、以下に掲載いたします。

 

「大阪哲学学校通信」へ

 「新年号」に、具合悪いなぁと躊躇う者です。

 新年をめでたいと思いたい思いが募れば募る程、「鬱気分」へ沈み込む心を一所懸命にずり上げよう、ずり上げようと、一身、密かに櫓を漕ぐ者です。

 ネガティヴな「気」は黴の様に感染するもの、人様の間へノコノコ出ぬに如くはなし。

  『安部氏の背後のキシの亡霊、経過40年のポンコツ原子炉が琵琶湖を脅かす』

 「見ない」でしょうけれども、此処等も【闇黒】に覆われたままですよ。

 絶望に接近しているには違いないけれども、ほんの一縷の希み、即ち一条の光の差し来るところを探し求めて貧弱な脳を酷使して居ます。

     *****

 一月にアルゼンチン映画【ル・コルビュジエの家(2009年製作)】を観た日、漸く、21世紀という「色」を見たナ、確かに、その21世紀の感触に触れたナという全く、まったく、個人的な感慨を覚えました。

 今年は確か、2013年と読む、それはそうでしたが、私には20世紀も21世紀も境なく、ズルズル「やな感じ」に回り続けているとした「時」の感覚を持てない情態でした。

 その鬱陶しい苦しさを十余年、抱いて居りました。

 当の映画は「隣人は選べない」という副題で、少しだけミステリーめいているのが意外に感じる程に、明るい映像と軽快なテンポで始まりました。

 全体のカラー構成が素晴らしくて、物語らずともその映像だけでも満足出来るような洗練された映像でした、終始。現代アートの中に音楽と共に寛いで、しばしば、軽快な笑いを貰い、いい気分でした。

、、、、、ラスト

すぐには立てませんでした。

衝撃の矢がまっすぐ放たれて、非常に個人的な受け止めをさせられました。如何、私という「個人」に刺さったか? 私が自分の心を意識と考えるならば、心ではなく「魂」の領域に穿たれた事になります。

 それが、何故、私に「21世紀」という感触にはっと感電したのでしょうか?

 それを述べんと試みましたが、到底、短文では無理、技能の不足も自覚しました。

 人と人、体温で接触していてさえ、或いはそれ故、解り合わない、合えないではなく合わない、「配慮」そのものの欠如。

 自己へ、ましてや他者へ。

 映像を思い出し、ラストを再度考えて、今、更に胸がどんどん波打ちます。

 今世紀も殺戮が続きます。

2013年4月7日

諸先生。石平氏との共著『反旗・中国共産党と闘う志士たち』(育鵬社)が、日本図書館協会選定図書に選ばれました。

 図書館協会のサイトでは「現在は、年間6万点にも及ぶ新刊書籍の中から、図書館がどの本を蔵書として選ぶかを決める図書の選択は、図書館にとって最も重要な仕事であり、子どもたちに大きな影響を与えるだけに非常に大切です。協会の選定図書は、各専門分野の選定委員約50名が、実際の書籍を一冊一冊に必ず目を通し、選択されたものです。」とあります。

 拙著『反旗』は出版されるとただちに波紋が広がり、私も毀誉褒貶にさらされましたが、日本の良識ある専門家に認められました。うれしい限りです。

 拙著は普遍的な価値の自由、民主、博愛のために命がけで闘う七人の志士の波瀾万丈の生き様を描いてます。これは、劉燕子が十数回に及ぶ中国亡命知識人の調査を踏まえたものです。

第一章 中国民主化運動三十三年の軌跡(石平)

第二章 獄中のノーベル平和賞受賞・劉暁波(石平)

第三章 中国民主化を求める第三世代・余傑(劉燕子)

第四章 天安門広場の最前線で銃弾三発を浴びた張健、および「天安門の兄弟」(劉燕子)

第五章 ジャスミンの物語・江沢民を面罵した茉莉(劉燕子)

第六章 神出鬼没!反骨のネットゲリラ・ラン雲飛(劉燕子)

第七章 ゴールデントライアングルから潜入した海外民主運動家・王策博士(劉燕子)

第八章 奇跡の脱出を遂げた盲目の人権活動家・陳光誠(石平)

 さて、かつて中国民主化をともに目指した石平氏は、「まえがき・彼らと再び未来を共有できるだろうか」において、「いくつか根本的な問題を突きつけて」います。その一つに「中華思想の呪縛から自らを解放することができるのだろうか」という問題があります。

 これに対して、今年三月、来日した王策博士は「できる」と答えました。

 自由や民主などの普遍的価値が「中国モデル」を超えて、人類普遍の立場に立ってこそ、中国民主化は実現できるのであり、またこれこそ日中間の難題を解決する方途になると言えます。 また、劉燕子は「結びに代えて」で、中国民主化の「土づくり」に、ねばり強く、建設的実践的に取り組むべきことを提起しました。

 是非とも、、、感謝をもって。劉燕子

2013年4月4日

諸先生、静岡大学の楊海英(大野旭)教授の評論を、以下にご紹介します。静岡新聞、四月三日です。

なお、王力雄氏が「チベットに直面する二つの帝国主義」として「政治的帝国主義の文化的圧制と文化的帝国主義の唯我独尊」を指摘しますが、それと同じことが他の少数民族でも進行しています。私は三月に新疆ウイグルから数千キロ離れた広東省の東カンで、ウイグル人労働者に出会いました(この報告は別の機会に)。敬具。劉燕子


 古代西域の人権―新疆ウイグル自治区の現状は語る 西域やシルクロード。これらは日本人が中国新疆ウイグル自治区をイメージした時の表現であろう。1980-84年にかけて放送されたNHKの『シルクロード』は日本人の知的な関心をかの地に引き立てた。仏教も「絹の道」を通って大和に伝わった歴史から、日本人は新疆を身近に感じてきた。

 新疆とは「新しい疆土」を意味している。この地に古くから住むモンゴル人やウイグル人の王国を併呑して、1884年に時の清朝が新たに一つの省を建てた征服活動に由来する地名だ。省の名前はこの地が中国に編入された歴史の浅い事実を端的に物語っている。新疆の住民は中国の抑圧に不満を持ち、深刻な民族問題が存在している。

 中国で習近平の新指導部体制が確立しつつあった3月に新疆を訪ね、パキスタン国境に近い最西端のカシュガル市まで旅をした。かつて唐の玄奘三蔵がインドへ向けて歩いた道だ。途中、ありとあらゆるガソリンスタンドや高速道路の入り口と出口、それにホテルの玄関に武装警官と自動小銃を手にした解放軍の兵士が立ち並び、厳重な警備体制が敷かれていた。通行人をチェックする際に、漢民族はフリーパスなのに、ウイグル人は厳しく身分証明書を登録されていた。

 天山南麓にあるクチャという町を歩いてみた。クチャにはかつて亀茲(きじく)という国が栄え、歌と踊りが有名なことから、「亀茲楽」は日本人にも親しまれている。ウイグル人のどの家の玄関にも所轄する派出所の警察官の写真と「祖国を分裂させる活動に反対しなければならない」とのポスターが貼ってあった。徹底的な監視体制下に置かれている証拠だ。

 ウイグル人と漢民族はみごとに棲み分けている。インフラ整備の整っていないウイグル人地域はスラム街と化し、漢民族の区域では近代的な建物が林立し、洗練された施設が軒を連ねている。1949年に中華人民共和国ができた時の新疆には漢民族は29万人しかいなかったが、今や1000万人を超えて、原住民のウイグル人を凌駕しつつある。自らの故郷において、後から侵入してきた漢民族にウイグル人はすべての権利を奪われている現実は数字にも表れている。

 「中華民族の偉大な復興」を「中国の夢」として語る習近平指導部だが、中華に占領されてまもない地域の住民たちの人権を如何に改善すべきが問われている。

2013年4月2日

獄中で2010年ノーベル平和賞を受賞した劉暁波の妻で、現在軟禁中の劉霞の写真展が開かれます。
劉暁波には「担う 苦難の妻へ」という詩があります。
「君はぼくに言った/すべて担える/君の瞳は粘り強く太陽に向かい/失明して炎となり/炎は海水を塩に変えた/親愛なる人よ/暗闇を隔てて君に聞かせよう/墓に入る前に/骨と灰でぼくに手紙をくれ/冥土の宛先を忘れるな……」
 このような凄みさえある熱情と真摯さをもって、闘いの中で愛する妻に捧げた詩です。ところで、アーティストの劉霞も今、自由が奪われています、、、東京、あるいは京都の会場まで、是非、足をお運びください。感謝を込めて。劉燕子

劉霞写真展 沈黙の力

2013.4.8 - 5.10 特例社団法人日本外国特派員協会 (東京)

2013.5.24 - 6.16 FOIL GALLERY(京都) 


劉霞(リュウ・カ)プロフィール 1959年、北京生まれ。詩人、画家、写真家。中国の現代芸術において、過去30年以上にわたり最も特筆すべき人物のひとりとされている。劉霞の作品は中国での公的な展示を禁じられている。1996年に劉霞は民主主義を求める執筆活動により投獄された文筆家の劉曉波と結婚。2010年の劉曉波のノーベル平和賞受賞以後、劉霞は中国において告訴も審理もないままに自宅軟禁され続けている。 
http://www.foiltokyo.com/book/art/Liu_Xia.html

2013年3月31日

「喻尘先生を囲む会」・市民サロン「燕のたより」のご案内
 春の香りが心に染み入る候となりました。 私は3月、両会の時期に、経済改革開放の窓口である広東省各地でフィールドワークをしました。今回は文学者の他に、中国で最もパワフルと呼ばれる民営企業家やニュー・オピニオン・リーダー、また芽生えつつある市民社会で地道な努力をしている若者たちとも交流しました。習近平新体制への民間の受けとめ方、感覚、気風などを肌で感じました。 さて、4月13日、中国の良心的ジャーナリストの喻尘先生をお迎えして、以下のように「囲む会」を開きます。

<日時>4月13日(土)

第一部 17:30-19:00 トーク・意見交換(逐次通訳) 

参加費 1000円 コーヒー、あるいは紅茶とフロランタン(焼き菓子)付き

第二部 19:00-20:30 懇談(逐次通訳) 

参加費 4000円 食事付き、ドリンクはフリー

<場所>fermata(レストラン、貸し切り、素敵な雰囲気やシェフ)    

阪神本線・野田駅より南西へ徒歩5分    

地下鉄・野田阪神駅、7番出口から徒歩3分    

JR東西線・海老江駅より南西へ徒歩5分       

三菱東京UFJ銀行の通りを入り、あさひ薬局の向かい。  

電話 06-6441-6673  

住所 553-0006 大阪市福島区吉野2-10-12 ゴールデンラピス103号


喻尘先生のプロフィール 

張継承(ZHANG, Jicheng)、ペンネームは喩塵(YU, Chen)
「河南日報」社、「河南科技報」社、「中国社会報」(中国民生部発行)の記者を経て、中国でリベラルな報道で知られる「南方都市報」記者・ニュース部主任、そして現在はジャーナリストとして活躍。その間、中山大学MBA課程修了。 現場からの報道に17年間従事し、中国国内の受賞多数。2008年6月、アジア出版人協会(SOPA)人権報道卓越賞を受賞。河南省で政府と製薬会社と血液ビジネスが一体となった組織的血液売買による売血エイズ感染問題(血禍)を初めて報道などで活躍。 「南方都市報」は、南方メディア・グループ傘下の新聞で、今年初め同グループの「南方週末」の社説が書き換えられた「南方週末事件」では、記者や編集者一〇〇名が抗議し、これは「中国における言論の自由や民主化の兆しだ」、「挫折し、さらに叩かれても、網上(ネット上)と網下(現実の街頭抗議)が呼応しあい、相乗効果で何度でも立ち上がる。これは市民運動のトレーニングだ」と言われている。
 このような喻尘先生が大阪に来られる貴重なチャンスです。 報道の自由から、大気汚染、食品安全、憲政民主、民族問題など様々な問題を直接聞けるとともに、喩さんも、日本における市民社会の形成・発展について知ることができるでしょう。日中の民間における積極的な対話が広がることを願います。 超多忙な先生方でしょうが、どうぞふるってご参加ください。


主催:市民サロン「燕のたより」Yanzi@mta.biglobe.ne.jp:劉燕子                  090-9286-0563
 急に決まったことですので、レストランの予約などあり、なるべく早めにお知らせください。感謝を込めて。                              劉燕子

 この会は何かの組織ではなく、志はありますが、独立した立場の人々が自由に語りあう場です。お互いの意見を尊重し、質の高い議論を交わしつつ、現場から発信されている生き生きとした情報を共有し、様々な立場を超えて新たな公共空間の創造(自己組織)を目指します。

2013年1月12日

「崔衛平先生を囲む会」
 寒中お見舞い申し上げます。 来日して20年もの星霜がアッという間に過ぎ去りました。今年は初めて年賀状のご挨拶ができませんでした。お祝いの言葉がどうしても見つからず、心が立ち尽くしたままです。 特にチベットの方々が我が身を炎として抗議したニュースが次々と入り、内心は厳しい寒波に見舞われるような日々です。 さて、1月19日、中国のリベラル知識人を代表する崔衛平先生をお迎えして、以下のように「囲む会」を開きます。

<日時>

1月19日(土)第一部18:00-19:30 トーク・意見交換(逐次通訳)         参加費 1000円

第二部19:30-21:00 懇談(逐次通訳)、食事・ドリンク付き

  参加費 4000円

<場所>

fermata(レストラン、貸し切り、素敵な雰囲気とシェフ)

    阪神本線・野田駅より南西へ徒歩5分

    地下鉄・野田阪神駅、7番出口から徒歩3分

    JR東西線・海老江駅より南西へ徒歩5分

       三菱東京UFJ銀行の通りを入り、あさひ薬局の向かい。

  電話 06-6441-6673

  住所 553-0006 大阪市福島区吉野2-10-12 ゴールデンラピス103号


崔衛平先生のプロフィール

 北京電影大学教授、東欧の政治や思想の研究などで知られ、著書は多数。「08憲章」の最初の署名者の一人で、2008年12月12日、劉暁波の拘束に対して「釈放を求める声明・我々と劉暁波を切り離すことはできない」を表明した。

 2009年3月11日、チェコの人権団体People in Needが、平和的方法で人権問題に取り組む者を表彰するHomo Homini Award(“人と人”人権賞)が、劉暁波はじめ「08憲章」署名者全員に授与されたとき、みなを代表して徐友漁氏とともに授賞式に出席した。

 最近の「南方周末」社説すり替え事件でも、積極的に発言している。http://asahichinese.com/article/news/AJ201301110051

 中国の知識人の中で、現場にしっかりと立脚して、民主化問題、民族問題などをめぐり言論の自由の空間を広げようと苦闘している一人である。以下の記事もご参考に。

「中日関係、理性取り戻せ」 中国の知識人らネット署名

 朝日新聞 2012年10月8日

 尖閣諸島を巡る日中の対立を受け、中国の知識人が「中日関係を理性的なものに戻せ」と訴える署名活動をネット上で始めた。署名の呼びかけに対して批判的な声が寄せられる一方、民間レベルでの事態打開の動きとして、共感も広がっている。

 呼びかけたのは、中国の言論や人権状況について発言を続ける女性作家の崔衛平氏(56)。仲間数人と10項目の文言を練り、4日から公開した。7日夕の段階で、著名な人権活動家の胡佳氏や法学者の賀衛方氏のほか、各地の医師や報道関係者、学生ら467人が実名で署名した。

  呼びかけは、9月の反日デモが暴徒化したことについて「我々は非常に心を痛めている」と批判。日本関連の本が一部書店から消えるなど、文化や経済面に影響が及んだことについて「極めて賢明さを欠く」と強調し、中国政府に「民衆が理性的に考え、行動するよう導く責任がある」と注文した。


 このように活躍される崔衛平先生が大阪に来られる貴重なチャンスです。 寒さ厳しい折ですが、どうぞふるってご参加ください。


主催:市民サロン「燕のたより」(Yanzi@mta.biglobe.ne.jp:劉燕子                       090-9286-0563
 急に決まったことですので、レストランの予約などあり、なるべく早めにお知らせください。感謝を込めて。                              劉燕子

2012年11月13日
諸学兄。哲学学校が中国問題を取りあげてくださりまことにうれしいです。さて、超多忙とは存じますが、是非、添付ファイルに目を通してください。今日、朝日にチベット族の「炎の抗議」が載りました。心が痛みます。劉燕子
桂花 あいさつ.pdf
PDFファイル 83.0 KB

2012年10月25日

 桂花(きんもくせい)の薫りが秋の空に漂う十月、中国に朗報が届きました。莫言氏が、今年のノーベル文学賞を受賞し、中国が待ちに待った夢が実現したのです。中国共産党内序列五位で思想宣伝担当の李長春政治局常務委員は、十二日、莫言氏受賞は「我が国の総合的な国力と国際的な影響力の高まりを体現した」と評価しました。中国のメディアは莫言氏受賞を一斉に速報し、中国全土で歓声が沸きあがりました。そして、私は喜ぶ者とともに喜びました。

でも、二年前、劉暁波氏の受賞に対しては、文革式の激しい言葉で非難し、授賞式出席も妨害しました。あまりの差で、そのダブルスタンダードに驚愕します。そして、ネットでは、莫言氏が、十月十二日、地元の山東省における記者会見で、「(劉暁波氏の)一刻も早い自由の回復を望む」と発言しましたが、中国のメディアはこれらの発言を全く報道していません。インターネットにアップされるたびに削除され、中国式ミニブログのウェイボーで転載されてもことごとく削除されました。

振り返れば、二〇〇九年十二月二三日、劉暁波氏は「私は中国の連綿として絶えることのなかった文字獄の最後の被害者となり、これからは誰も言論のために罪を着せられることのない社会が実現されることを期待する」と、直筆の最終弁論(私には敵はいない)で陳述しました。しかし、彼は「最後の被害者」とならず、むしろ、言論統制はますます強化されています。そのため、作家の余傑氏、中国社会科学院哲学研究所の張博樹博士、作家の廖亦武氏たち自由を求める知識人は海外への亡命を強いられる一方、国内では投獄される者が絶えません。ウェイボーのつぶやきだけで投獄される者が次々に出ています。

これらは漢人の場合ですから、マイノリティに関しは推して知るべしです。

 実際、チベット人作家のグドゥップは、十月四日、チベット自治区ナクチュ(那曲)の街頭で、中国政府に抗議して焼身自殺しました。目撃者によれば、彼は炎に包まれながら「我々はどこに行こうと自由がない、チベットに自由を! ダライ・ラマ法王のチベット帰還を!」と叫び、その場で死去しました。チベット人の抗議焼身自殺は二〇〇九年から数えて六〇名以上になっています。

 また、チベット女流作家オーセルさんは、国内で禁じられたため国外で出版し、それが評価されて国際的な賞をいくつも受賞しても、パスポートを取得できないために授賞式に出られません。パスポートを繰り返し申請しても受理されないのです。しかも、中国共産党第十八回大会を前にして、彼女は夫の王力雄氏とともに強制的に北京から退去させられました。

 文学の本旨は、様々なレトリックで飾られた仮面を剥ぎ取り、現に存在する生身の人生を描き出すことで、内心の根源からの再生をもたらすことにあるとすれば、ノーベル文学賞の発する強烈な輝きに目を奪われず、自由を求めて悪戦苦闘し、それも報われずに影でうめき、歯ぎしりし、嗚咽している姿にも注目し、その声に耳を澄ますことが、文学には必要なのではないでしょうか。

 そして、悲しむ者とともに悲しみつつ、オーセル著、拙編訳解説『チベットの秘密』出版記念会のご案内をいたします。いつも日中の間にあってマージナルで孤立無援の私を支えてくださるみなさまに感謝を込めて。

 

                            敬具。劉燕子

 

11/16(金)「チベットの秘密」出版記念講演会@大阪

http://blogs.yahoo.co.jp/electric_cat2003/63004558.html

受付サイト http://kokucheese.com/event/index/58721/ 

 

2012年10月5日

ロシア語教室≪アムール≫開講5周年記念講演会「ユーラシアと日本」  

ロシア語教室≪アムール≫開講5周年をむかえ、このたび記念文化講演会「ユーラシアと日本」を開催いたします。各分野の専門の先生方をおむかえしてご講演いただきます。皆さまのご参加をこころよりお待ちしております。
主催:ロシア語教室≪アムール≫日時:2012年11月10日(土) 会場受け付け10時より

会場:大阪市立総合生涯学習センター第2研修室(大阪第2ビル6階)

講演会入場無料です。


開会のご挨拶 (10時25分~)
第1講演(10時30分~12時) 

 川村明海先生 「中世ロシア建築 ヴラジミル公国の都市形成より」

お昼休み 12時~13時 
第2講演(13時~14時30分)

 木原隆志先生 「スラブ派再考―キレエフスキーからダニレフスキーまで」
第3講演(14時40分~16時10分)

 枡本哲先生  「エニセイ川上流所在仏教遺跡の調査行」 

閉会のご挨拶 
※松波宏隆先生「沿海州の古代史・渤海国と環日本海文化圏」は来年度、ご講演いただく予定です。
※お昼休み (研修室でのお食事はできませんのでご了承願います。)
参加お申込み方法:ご希望の講演、お名前、ご住所、ご連絡先(お電話、Fax、メール)をご明記の上、FAX、メールでお申し込みください。

先着順で60名様となります。

連絡先:ロシア語教室≪アムール≫ 

 電話(FAX)06-6481-3040

 メール uup154@yahoo.co.jp

 ホームページ http://star.ap.teacup.com/jura777/

 

2012年5月吉日

各位さま

 皆様、大変ご無沙汰しております。

 昨年の東日本大震災・福島原発事故、各地での豪雨、自然災害は多くの課題を天(?)からこれでもかと降り注がれております。暮らしを含めもっともっと見つめ直さなければ、一人ひとりが考えなければならないことがたくさんあります。『人権と平和のためになによりも歴史に学ばなければならない』これは、哲学者であり、古代史研究者であり、なにより高校・大学の教師であった藤田友治(2005年8月逝去)の言葉です。藤田は東大阪布施高校勤務時代に、市民のための古代史講座や古代史研究会を牽引し、多くの先輩研究者や友人と交流を重ねました。東大阪を中心に市民による古代史研究会、古代史講座を研究会仲間とともに活動を進めました。そのようななかで、仮称『古代史0事典』の構想が生まれました。論点になる項目や、諸説学説を学びながら次のステップに進めるような事典を目指そうと話し合いました。ようやく、ここに上梓することが出来ました。

 伊ヶ崎淑彦、いき一郎両氏に著編集をお願いしました。ご苦労をおかけしました。

 ご覧いただきましたら、光栄です。ご指摘などございましたらご教授をお願いいたします。

                        元歴史哲学研究所

                       東大阪古代史研究会

 

※本書は、ミネルヴァ書房から5月30日付で刊行されました(定価3800円+税)。ご購読ご希望の方は、割引価格でお求めいただけると思いますので、哲学学校にメールをくだされば著編者に仲介をいたします。よろしくお願いします。

2012年4月29日

諸先生各位。

 拝啓。中国の盲目の人権活動家、陳光誠氏が、厳しい監視下で軟禁されていた山東省の自宅から脱出し、北京のアメリカ大使館に保護されましたことが報道され、そして、私は、昨日、テキサス州に本部を置く対華援助協会(China Aid)の牧師、傅希秋氏との電話で確認しました。 陳光誠氏は、中国政府の進める「一人っ子」政策で、強要された妊娠中絶の実態を告発し、2006年に懲役4年3カ月の実刑判決を下されました。2010年に釈放されても、自宅に軟禁され続けました。

 脱出しようとトンネルを掘り始めましたが、発見され、コンクリートの壁が深く作られ、ほぼ毎日、100人弱の暴漢に見張られていました。

 今回の奇跡的な脱出は、ウェイボー(中国のミニブログ)のユーザーの何培蓉女史(南京在住の英語教師でペンネームは真珠)をはじめとする6、7人のチームワークと、対華援助協会の支援で達成しました。ところが真珠女史は既に自宅で逮捕されました。

 今、中国のインターネットで「真珠」の検索ができず、真珠産業に大打撃ではと揶揄されています。

 今回の脱出では、インターネットのユーザーの連携や「光誠を自由に」という市民ネットワークが大きな役割を果たしました。また、海外亡命者たちの不断の努力の成果です。例えば、先日、来阪した茉莉女史は、以前から、陳光誠氏に関連した治安当局に海外から抗議の電話やファックスを送るようにと呼びかけていました。対華援助協会の傅希秋牧師は、数年間、アメリカ政府に直接訴え続け、また国内のユーザーと連絡・協力しました。なお、傅希秋牧師は中国エイズ問題に取り組み迫害された高耀潔女医の亡命も支援しました。

 陳光誠氏の脱出で、問題が解決したことにはなりません。アメリカ大使館で保護が続き、こう着状態となってしまうことが危惧されます(先日逝去した「中国のサハロフ」と呼ばれた方励之の時がそうでした)。

 今後、さらに良識ある方々が陳光誠氏について注目し、支援し続けていただきたいと心から願います。一日も早く真に「光誠を自由に」。そして、自由を奪われたすべての人々に自由を。

 以下の「燕のたより」もご参考にしてください。http://www.shukousha.com/category/column/liu/

http://www.shukousha.com/column/liu/643/

                         敬具

転載は大歓迎

          2012年4月29日

                          劉燕子

2012年4月9日

諸先生。

 静岡新聞、4月5日に掲載された内モンゴル出身の楊海英教授(日本名大野旭)の論文を紹介します。先生の『墓標なき草原』は、第14回司馬遼太郎賞を受賞しました。是非、是非お読みください。

                   敬具。劉燕子


時評 27人と4000万人―命の重さと大国の責任 

 27人と4千500万人。この二つの数字は中国の現状と近現代史を物語っている。前者、即ち27人とは、中国によるチベット侵略に抗議して、09年以降に焼身自殺したチベット人の数である。僧侶から若い女性まで、複数の年齢層の人々が自らの命を捨てることで、他者からの侵略に抵抗の意志を示した。生命の尊重と非暴力を至上の教えとするチベット仏教の信者たちの最後の手段であろう。後者の4千500万人とは、中国が「人民公社」の制度を全国に導入した直後の1959年1961年にかけて、全土で発生した餓死者の数である。日本に照らしていうならば、国民の約三分の一が犠牲になる、という計算である。凄惨な実態は『餓鬼(ハングリー・ゴースト)』(ジャスパー・ベッカー著、中央公論社)や『毛沢東の大飢饉』(フランク・ディケーター著、草思社)、それに『墓碑』(楊継縄、香港天地出版社)など中国内外の研究者たちによって解明されている。

 上で挙げた二つの事実について、中国には独自の解釈や論理がある。前者に対しては、「欧米の反中国勢力とインドに亡命しているダライ・ラマ法王政府による煽動だ」と強弁している。チベット人側と対話し、平和的に問題を解決して、侵略と略奪を中止しようという姿勢はまったく見られない。後者に関しては、国定の教科書をはじめ、政府側の定説では、あくまでも「三年間に及ぶ自然災害による死者」だと説明する。別の研究によると、中華人民共和国史上、「自然災害が起こった三年間」ほど風雨が順調だった時期はなかった事実も突き止められている。実際は「人民公社」による強制的な公有化政策が失敗し、収穫がなかった事実に真の原因があったにもかかわらず、「全人類を解放し、幸せをもたらす社会主義」の失敗を認めようとしない。

 「チベットの王は唐王朝の姫を嫁とし、元朝の支配を受けていたから中国の固有の領土だ」、と政府は主張する。しかし、チベットの王は同時にネパールの王女を第一夫人に迎えていた事実と、元朝は中国ではなく、モンゴル帝国の一部でしかなかったという性質には触れようとしない。4千500万人の命が失われても「自然災害」のせいにする国が27人に憐憫の情を表すとは思えない。たとえ経済力のある国に成長しても、命の重さを尊重しなければ、「中国の価値観」を全人類は共有できないであろう。


執筆者略歴:楊海英(やん・はいいん)氏 内モンゴル出身。日本名大野旭(おおの・あきら)。国立総合研究大学院大学博士課程修了。歴史人類学専攻。著書に『モンゴルとイスラーム的中国』(風響社)、『墓標なき草原』(岩波書店 第十四回司馬遼太郎賞受賞)など。

2012年3月15日

【 いちにち懇話室 】開設へ

 むかし、子供たちに読み聞かせた絵本に【 さんじのおちゃにきてください 】というのがありました。[福音館書店]

或る動物(忘れましたので、オオカミとします、他の登場する動物も勝手に作ります。

そのオオカミが、お手紙を友達に配りました。

【 さんじのおちゃにきてください 】

すると、当日、森や山から、クマさん、ヤギさん、ブタさん、キリンさん、ヘビさん、ウサギさんなどが、あっちこっちから、杖をついたり、跳ねたり、這いずったりして、可愛らしいオオカミのお家を目指しました。

  楽しい集いが繰り広げられました。

  オオカミは大きなケーキを焼きました。

            中村りょう子

2012年3月9日

諸先生各位

 以下の呼びかけに是非とも目を通してください。痛みと苦しみを分ちあえることを願いつつ・・敬具。劉燕子

                      201239

 

チベット女流作家オーセルさんの緊急の呼びかけ

 圧政はいかに大きくとも、どうか命を大切にしてください。

 チベット人抗議焼身自殺のニュースが次々に伝わってきました。既に26人目になっています。このニュースが入るたびに、心が引き裂かれるほど悲しみのどん底に落ちます。

 第26人目の抗議尾焼身自殺者は、アムドのゴロのソバ・リンポチェで、その遺言は、次の通りです。

 「仏陀が、昔、命を捨て、虎に捧げたように、他に犠牲となったチベット人と同様に、真理と自由と大義のために命を捧げることに決めました。」

 これは今日、世界で稀に見られる献身です。これはチベット民族に対する深甚なる影響をもたらしています。これを私たちは永遠に心に刻みます。

 そして、26人が我が身を炎と化したことは、十分にチベット人の意志を表明しています。しかし、これは最終的な目的ではありません。希望を現実にすることが、私たちの最終的な目的です。

 命の存続こそ、希望を現実にできます。もし、抗議焼身自殺が続いていけば、その一人一人の命を希望へと転化できない損失となるでしょう。ですから、私たちは心より願います。

 ただ今から抗議焼身自殺を止めましょう。一人一人のチベット人は命を大切にして、生き抜きましょう。圧政がいかに大きくとも、私たちの命は重要です。生き抜いてください。

 抗議焼身自殺では、私たちの現実を変えられません。私たちを憎む人は密かに、みんな死んでしまえば一番いいとたくらんでいます。

 私たちは生き抜いて、奮闘・努力してこそ現実を変えられるのです。生きている私たちは、一滴の水です。この一滴一滴が合流していけば大海原になります。

小さな努力の積み重ねこそ、現実を変えられます。

 不死鳥のごとく立ちあがるチベット人こそ、私たちの民族の血脈を継承することができます。

 私たちは呼びかけます。チベット各地の僧侶、長老、知識人、民衆は自分の信者、家族、村民たちを守ってください。抗議焼身自殺の再発を防いでください。

チベットに関わる各組織、機関はただちに行動しましょう。抗議焼身自殺の拡大や加速を防ぐことを、当面の急務としてください。

 チベットの未来は、私たちチベット人によるものです。

 オーン・マ・ニ・パド・メー・フーン(六字真言、蓮華の宝珠よ、幸いあれ)。

 チベットを見守ってくださる国際社会の良識ある人々にもお願いします。チベットの現状と、チベット人の意志に注目し続けてください。

 そして、この呼びかけに賛同してくださる方は、以下のサイト、フェイスブック、ツイッター、アドレスに氏名、住所、所属などを書いてください。公開したくない人は、その旨を付記してください。

 

http://woeser.middle-way.net

ツィッター、フェイスブック(@degewa )、

EmailPutixin2010@gmail.com

 

転載は大歓迎

 

2012年3月7日

各位へ

一斉メ-ルで送ります。

 

春場所に横綱昇進をかける大関バルトが私の地元の淡路地域に来て地域の活性化と大相撲の人気回復に貢献されました。

新聞報道や写真添付しておきます。ご覧いただければ幸いです。バルトへの応援よろしくお願いします。

追伸

①今日37日(水)夜9時からの10時までのニュースウォッチ9(NHK総合)のスポ-ツニュ-スをみてください。午後9時45分から10時の間です。バルトが放映されます。

②学校に土俵がないことも相撲が廃れる一因かとも思います。国技というなら政府(文科省)も教育委員会も考えてほしいと思いますし、相撲協会も力士を学校に派遣すべしと思います。

 

大賀正行

社団法人部落解放・人権研究所名誉理事

 

2012年3月5日

諸先生各位

 春の歩みはおぼつかないながら、次第に春の気配を感じる候になりました。お元気でご活躍のことと存じます。

 さて、昨年9月、チベット女流作家のオーセルさんが、国際的に栄誉あるオランダのクラウス王子基金会から「勇敢なチベット人作家」として表彰されたことをご報告しました。受賞理由は「沈黙を強いられ圧政の下に置かれた人々のために勇気をもって声をあげた」ということです。

 ところが、オーセルさんは相変わらずパスポートを取得できず、さらに、中国政府はオランダに強い圧力をかけました。これは失敗しましたが、基金会会長は中国に入国できず、大使の自宅でささやかな受賞パーティーを企画しましたが、阻止されました。

 今年に入り、二ヶ月間でオーセルさんは四回も「国保(公安機関の国内保衛支隊)」に「お茶を飲まされました(被喝茶)」。これは「お茶を飲む」という名目で尋問、嫌がらせ、恫喝などを受けることです。

 今は、オーセル・王力雄ご夫妻は、事実上の自宅軟禁状態です。以下の報道も参考にしてください。

 

中国:チベット族作家を軟禁 暴動から4年、当局が監視強化

 【北京・工藤哲】中国のチベット族の著名作家で、著書が日本でも翻訳されているツェリン・オーセルさん(45)=北京在住=への中国当局による監視が強化され、自宅軟禁状態に置かれたことが分かった。英BBC(中国語電子版)などが1日、伝えた。全国人民代表大会(全人代=国会)や人民政治協商会議の開幕、チベット族の大規模暴動(08年3月)から4年の節目を控え、中国当局がチベット族への監視を強化したとみられる。

 BBCによると、オーセルさんの自宅周辺には5人ほどの治安当局者が待機し、外出も許可が必要な状態だという。オーセルさんは、文化の発展に貢献した人物に毎年贈られるオランダの「クラウス王子基金賞」受賞が決まり、北京のオランダ大使館で受け取ろうとしたが、当局に阻止されたという。

 オーセルさんは文化大革命期にチベットが置かれた状況を伝える著作「殺劫」を09年に日本で発表。最近は四川省でチベット族の焼身自殺が相次いでいる現状にブログで「見るも無残で、痛ましさは言葉にならない」などと心情を吐露し、焼身を試みるチベット族の映像などを掲載していた。

 一方、中国共産党指導部の賈慶林・人民政治協商会議主席は1日、北京でチベット族居住地の責任者の集会を開き、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世を指して「ダライ集団の陰謀の粉砕」を求め、居住地の安定維持を指示した。

毎日新聞 201233日 東京朝刊

 

 また、以下のサイトには映像もあります。

http://woeser.middle-way.net/

 

 さて、オーセルさんは、2008年のチベット事件に際して、チベット人の抗議行動を逐次、詳細にブログなどで発表し続けました。それが『鼠年雪獅咆・2008年西蔵事件大事紀』にまとめられて出版されました。これは、現時点で2008年の「騒乱」に関する最も詳細な資料であり、研究資料としても評価を得ています。

 『鼠年雪獅咆・2008年西蔵事件大事紀』で、カナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学教授Tsering Shakya氏は、次のように述べています。

 「共産党にとって、オーセルの著述はとくに我慢ならないものである。何故なら、彼女は党が人民に語ってほしくないディスクールを語ってしまっただけでなく、それを統治者の言語=漢語で著述するからである。中共は統治の初期に中国語で著述するチベット人を育成することには、特別な目的があった。それは『解放された農奴』の喉で、党のご恩に感謝し、それに報いようとする言葉を発することであった。……オーセルは漢語を自分のものとし、党の真理に抵抗し、反論するのである。だからこそ、中国政府にとってオーセルの著述はとりわけ面倒になる。彼女は中国で蔑視され、軽蔑される『蛮夷の原住民』の声を代表しているためである。」

 なお、オーセルさんの日本語の本に『殺劫・チベットの文化大革命』(集広舎)、王力雄さんの本に『私の西域、君の東トルキスタン』(集広舎)があります。

 一刻も、一日も早く、お二人が自由になることを心からお祈りします。

 みなさまも見守ってください。

敬具

                             201234

                                   劉燕子

 

PS:転載は大歓迎です。

 

2012年2月17日

福島から教職員の皆さんを招き

教育現場から放射能の危険を考える

フクシマ連帯集会

日時:2月25日(土)13:30~16:30 開場(13:00)

会場:アウィーナ大阪4階金剛(大阪上本町駅または地下鉄谷町九丁目駅より徒歩)

主催:若狭連帯行動ネットワーク、ヒバク反対キャンペーン、地球救出アクション97

集会の内容:

Ⅰ主催者挨拶と報告(13:30~13:50)

Ⅱ福島の教育現場の実情報告(13:50~15:20)福島県教職員組合放射線教育対策委員会のみなさん

Ⅲ福島の教育の現状についての質問と意見交換(15:30~16:30)

 

※詳しくお知りになりたい方にはpdfファイルの案内を添付送信しますので、oisp@mac.comにご連絡ください。

2012年2月5日

 諸先生。拝啓。次の朝日新聞の報道に衝撃を受けています。

 チベット族焼身自殺、昨年以降20人に 中国政府に抗議

  米政府系の放送局「ラジオ・フリー・アジア」によると、中国四川省カンゼ・チベット族自治州のセルタル県で3日、チベット族男性3人が中国政府のチベット族デモ鎮圧などに抗議して焼身自殺をはかった。1人が死亡したという。

 昨年3月以降、中国でチベットの自由などを訴えて焼身自殺をはかったのは、少なくとも20人に達した。セルタル県では1月下旬、チベット族のデモに治安部隊が発砲し、1人が死亡している。チベット亡命政府系のラジオ局「チベットの声」によると、現地では治安部隊が増員され、拘束を恐れるデモ参加者らが山に逃れるなど緊張が続いているという。(広州=小山謙太郎)
 このような状況に至る理由は、ツェリン・オーセルさんのサイトの写真だけご覧になっても分かると思います。http://woeser.middle-way.net/
 オーセルさんは、抗議焼身自殺者が20名にのぼったことに、心がえぐられるように痛むと三度も繰り返しました。私は衝撃的で何も手がつかず、ただ魯迅の「死後」という文章に目を止めました。「私は自分が路上で死んでいる夢を見た。・・・だが、結局、涙は流れなかった。ただ眼の前で火花が散ったような気がした。そこで私は身を起こした。」(『野草』より)

 尊敬する先生方、親愛なる友人たち、是非とも傍観せず、関心を向けて・・・

                              敬具。劉燕子。

・参考までに、オーセルさんの文章もお送りします。
烈火の中の永遠の生              ツェリン・オーセル著 劉燕子訳
 二〇一一年一二月、カム地域のチャムド地区カルマ郷で、四六歳の元僧侶、ロンツァ・テンジン・プンツォクが抗議の焼身自殺をしました。これは、二〇〇九年から、チベット地域内で抗議の焼身自殺を行った一三人目のチベット人です。そのうち一一人は男性で、女性は二人で、みなえんじ色の僧服をまとった僧侶でした。

 そのうちの二人は、突然、僧院に乱入してきた共産党の工作隊により僧院から追放され、牧畜民の羊の毛皮のガウンを強制的に着せられました。もう一人は僧籍を離れなければならなくなり、息子を僧院にあずけましたが、武装警察が僧院を包囲したため、やむを得ず息子も僧院から離れました。

 燃えさかる炎に包まれた七人は既に死亡したと伝えられています。五人は、駆けつけた警官隊に火を消され、連れ去り、行方不明です。もう一人は僧院に運び込まれましたが、危篤状態が続いています。 私は一ヶ月前に戒厳令下のラサを離れ、ぶ厚いスモッグにおおわれた北京に戻りました。ラサでは至る所に兵士や警官がいて、帝都の北京は自然環境が悪化してますが、政治環境はラサよりましのようです。私は張りつめていた神経がいくぶん緩和しましたが、その時に、抗議の焼身自殺が次々に入ってきて、繁栄を誇る中国の仮面を引き裂きました。

 しばらく前に、ネットではアニのパルデン・チュツゥの紅蓮の炎に包まれた映像が流れました。彼女は一二人目の抗議焼身自殺者で、三五歳の尼僧でした。

 私はずっとうち震えるばかりで、アクセスする勇気がありませんでした。今まで見た僧侶一人ひとりの写真や映像から、路上で燃えさかる炎に包まれて黒こげになった凄惨な状況が伝わってきました。それは、地元のチベット人が、少しでもチベットの苦境を世界の人々に知ってもらおうと、命がけで外部に伝えたものです。見るも無惨で、その痛ましさは言葉になりません。

 尼僧のパルデン・チュツゥのビデオは三分もありません。前ぶれなしに、突然、ガソリンを飲み、頭からかぶり、炎が燃え上がりました。私は涙でぼんやりした映像を見つめました。燃えさかる炎に包まれながら彼女は通りを進み、法王の名前を叫んでいるように思えました。でも、目をこらしてよく見ると、彼女は一歩も踏み出してはいなく、一瞬、少し前かがみになっただけで、全力で再び身を起こし、燃え上がる大きなたいまつのように直立していました。

 周囲の人々は、すさまじい火炎が彼女の命を奪うまで、なすすべもなく、ただ鋭い叫びをあげるだけでした。その中で、尼僧は激しい炎に包まれて後ろに倒れました。顔をあお向けにして、両手を合わせたその姿は、とても敬虔でした。 私は映像の中に出てくるチュパを着たチベット女性でありたいと思いました。彼女は叫ぶことなく、烈火に呑まれた尼僧に近づき、尊敬の念を表す白絹のカタを尼僧の首に投げかけました。

 これに対して、なぜこんなことが起きるのか理解できないという声が広がっています。共産党の代弁者からでたものではなく、逆にチベットに同情を寄せると自認する者や圧制下で弾圧されている人の権利を擁護する運動の先頭に立つ者から発せられています。

 でも、チベット人は命を粗末にするほど理性を失った愚か者ではありません。チベット人は焼身自殺で脅迫するというゲームなどしてはいません。そうではなく、僧侶、尼僧を絶望のどん底に突き落とし、身を烈火で焼き焦がすようにさせたのは、まさに暴政なのです。

 暴政が信じるものは暴力と金銭です。暴政は信仰心などなく、信仰のために自分自身を火炎にする人間が、この俗世に存在することも信じられません。そのため、焼身自殺した者は若くて、ものごとの是非が分からないなどとでたらめを言うのです。

 暴政は、誰でも暴力や金銭に屈服し、すべてそれで始末できると思い込んでいます。そのため「ダライはカネで死体を買い占める」(中国共産党機関紙『人民日報』海外版、二〇一一年一一月二五日の見出し)という、悪質なデマを流すのです。

 仏教に限らず、いかなる宗教でも、歴史において、真に信仰を脅かす大難が降りかかるとき、信仰を守る責務を果たす殉教者が信徒から必ず現れるものです。文化大革命の時は、西安の法門寺の僧侶は、紅衛兵が仏塔を破壊することを阻止するため、抗議の焼身自殺を行いました(一九六七年七月、陝西省の法門寺で良郷法師が焼身自殺で抗議)。 そもそも、チベット人の犠牲には、二重の意義があります。信仰を守ることと、自由を奪還することです。そして、この犠牲は若さとは無関係です。まさか、若いから軽率で、何も分からずに従っているだけだと言うのでしょうか!

 フランスの聖女、ジャンヌ・ダルクも若かったではありませんか。農家の少女がフランス軍を率いてイギリス軍の侵入に抵抗しましたが、策略で火あぶりの刑を受けました.その時、彼女はまだ一九歳でした。それでも、彼女は「オルレアンの乙女」、「自由の女神」としてフランス人の心の中で永遠に朽ちることなく、語り継がれています。

 今や、抗議の焼身自殺者は数字になりつつあります。最初から二人目までは約二年の時間がありましたが、二人目から一二人目まではわずか八カ月で、さらに四人目から一二人目まではたったの七〇日余りです。 この数字さえ、間違えて記憶されています。二年の時間のひらきのため、最初の焼身自殺者は見過ごされ、一二人目なのに、一一人目と計算されることがあります。人数を増やすか減らすかという問題ではありません。冷たい統計的な数字の問題ではありません。尊くて大切な命の問題です。それが欠如したら、二年後に、今年の一一人の犠牲者も忘れられ、ゼロという数字になり、さらには生きていたということさえ記憶から消されてしまうでしょう。

 人々はこの一連の事実に衝撃を受けているか分かりません。中国政府がチベット人は犠牲を惜しまずに抵抗し続けることを危惧しているか分かりません。むしろ、犠牲者の人数さえしっかりとおぼえていないでしょう。でも、高原で再び銃口の前に身を挺し、烈火に燃え上がる殉教者となるチベット人は常に存在しているのです。

 耳を澄ましてください。世界よ、燃えさかる火炎に包まれたチベット人が何と叫んでいるのか!

 「チベットに自由を!」

 「ダライ・ラマ法王のご帰還を!」

 このような願いはぜいたくだと言うのでしょうか?!